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コラム
お米の共演 in 青森 まっしぐらなお米を訪ねて
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こんにちは!株式会社ハニーマザー代表の西田でございます。
2024年の夏も各地で信じられない気温の日々が続いております。
昨年の猛暑の影響もあり、今年は全国でお米の価格が上昇し、近年よく見かける「おにぎり専門店」が大打撃を受けているとの報道も。
私達のブランド田田田堂(たたたどう)は兵庫県が誇る酒米「山田錦」を使い様々な商品を創り出し、さながら”お米の研究所”のような活動をしています。
お米の国、日本ではそれぞれの地域に特産の誇れる品質のお米があることから、最近では日本全国の自治体様から、その土地のお米を活かして特産品が作れないか?という”お米の研究所”冥利につきる案件をいただけるようになってまいりました。
今回は遠く離れた青森県の「まっしぐら」というお米と、田田田堂人気商品「生米パン」で共演をするため夏空の広がる中、鯵ヶ沢町(あじがさわまち)へお邪魔してきました。
ふるさと納税を通して
青森へは大阪空港から約1.5時間で到着し、割と気軽に行ける距離でした。
ただ便数が少ないため、北海道へ行くよりもチケットがかなり高価で、関西からのお客さんが少ないのにも納得。
空港からレンタカーで自然あふれる道を進むこと約1時間。今回の目的地「鯵ヶ沢町」へ到着しました。
道々寄ったコンビニやお店で聞こえる青森なまりが、東北弁になじみのない関西人には、とても魅力的なお国言葉で、離れた場所に来たのだと実感。
今回生米パンでの共演をいただいたのは、鯵ヶ沢町で収穫された「まっしぐら」というお米で、田田田堂が主原料とする、山田錦と似ている高アミロース米と呼ばれるお米に属します。
一般的に高アミロース米は、粘りが少なくさっぱりとした味わいで、血糖値の上昇がお米の中では緩やかと言われており、健康を気遣う方にもgood!
今回はこのお米をお預かりし、神戸にある田田田堂の工房でまっしぐらの生米パンを作らせていただきました。
当日は鯵ヶ沢町の庁舎をお借りし、その発売を記念しての記者発表会の日で、集まった方々で試食会も兼ねており、皆様からの味の印象はなかなか良いものでした^^
町長さんもお米からできたパンだけに、お惣菜をのせてお召し上がりいただき、普通のパンとは違う食感や味を楽しんでいただいたご様子でした。
今回の共演のきっかけをいただいたのは、東京から全国のふるさと納税を支援している、レッドホースコーポレーション株式会社様がおつなぎいただいたご縁でした。
レッドホースコーポレーション様は地方を様々な角度から盛り上げ、地方が持つ力をふるさと納税などを通じて、独自に応援するという事業をされている志の高い会社様です。
今後もレッドホースコーポレーション様のご協力をいただきながら、様々な自治体のお米を田田田堂がお預かりし、生米パンや米粉の焼き菓子に姿を変えお戻しし、それぞれのふるさと納税や道の駅で特産品として販売できればと考えております。
当日はお米の生産者さんもご同席いただき、緊張感もありながらも、この町をもっとPRしていきたいとう熱のこもった会見になりました。
まっしぐらの圃場を訪ねて
会見後はまっしぐらを生産されている、長谷川さんの圃場にお邪魔し青森の農業事情をお伺いできるチャンスをいただきました。
長谷川さんは代々続く農家ですが、いわゆるお家の分家筋にあたる家系。しかし時代の流れと共に本家の農業継承が難しいこともあり、本家から圃場を譲り受ける形で、少しずつ管理する圃場が大きくなってきているとのこと。
長谷川家は分家になってから5代目ということですが、代々のお家全体で数えれば江戸時代頃から続く農家さんで、地域に根差した数少ない若手農業者さんです。
長谷川さんの圃場では「まっしぐら」をはじめ「もち米」「はれわたり」「あさゆき」の4品種のお米を栽培されており、おおよそ48トンほどのお米を作っておられます。
しかしこのサイズでも青森では大規模とは呼べない農家さんとのことで、農業大国東北を感じさせるエピソード!(ご本人は自分なんてペーペーですよーと仰っていました^^)
ご両親がメインで農業をされていた頃までは全量農協に引き取ってもらっていたお米も、長谷川さんが28歳の時に事業をついでからは、独自の販売ルートを開拓しはじめ、専業農家として経営できる基盤を作ろうと日々努力されているとのことでした。
最近ではふるさと納税からの注文も多く、今回のプロジェクトのお米として選ばれたのもそのご縁からだったそうで、長谷川さんご本人も自身のお米が米としてだけでなく、新しい形でお客様のお手元に届けられることを楽しみにしておられました。
長谷川さんの農業経営は、お米・フルーツ(メロン)・野菜の3本柱で形成されており、一年に一回しか収穫できないお米だけでなく、年間を通して流通を作り収入を得ることができるよう工夫されています。
「一番の課題は何ですか?」とお伺いしたところ「自身の問題というよりも、地域で農業を担う若者がいないことですかね?」と話す長谷川さん。
長谷川さんの村の農業従事者は42歳のご自身が最も若く、隣の村ではさらに年長の50歳が最若年なのだそう。
ほとんど日本全ての地域でいえることですが、ここ青森でも同じように農作物を作る人がどんどん少なくなり、一部の生産者で管理しなくてはいけない圃場が増え、負担増になっている現実がありました。
未来の地域農業に向けて
長谷川さんには娘さんがいますが、「将来農業をしたいと思えばすればいいし、他の仕事がしたければそちらにいけばよい」というお考えで、肝心なのは誰がするということではなく、誰かが続けていくことが大切なのだと語ります。
確かに地域や日本全体で物事をとらえれば、農業を通して、地域産業や食料自給率を考えることが今の私達にとっては最も重要な課題なのかもしれません。
また長谷川さんは減農薬農法の特別栽培米にも徐々に力を入れており、将来的には農薬や化学肥料を使わない有機農業もやってみたいと言います。
しかし長谷川さんの圃場内で、低農薬や無農薬で作物を育てるのには、圃場に吹き込む風の強さや冷たさが大きく関係しており、有機農業に向いている圃場とそうでない場所があり、なかなか簡単ではないそうです。
これからの田田田堂
今回のご縁で兵庫県内の有機米以外のお米で新たな商品を作れるようになった私達は、今後チャンスがあればその土地のお米や米粉を価値ある商品に変えて、お戻ししたいと考えております。
現在も秋田県・北海道・宮城県からもご依頼をいただいており、このような取り組みがお米の活用に困っている方達の一助になればと考えております。
今回の会見の様子が後日、青森の新聞で取り上げていただけました。
沢山の方の目に留まり、多くの食卓にこのパンが届きますように!